・アジアでは中国への嫌悪感が急速に拡がっており、カンボジアをのぞいて中国の味方はいない。

・アジアでは中国への嫌悪感が急速に拡がっており、カンボジアをのぞいて中国の味方はいない。
・マレーシア、ラオス面従腹背、とくにラオスは対ベトナム牽制から中国に接近するが、本当の密接な関係にはない。
ベトナムとフィリピンは露骨に中国を嫌っており、その分、日本への期待が過剰なほど激しいが、この空気はミャンマーへも拡がりつつある。
習近平はアジア歴訪で、孤立する中国の立場に焦燥をつよめた。



〜〜〜関連情報<参考>〜〜〜
習近平「中国の新外交思考」なるものの中味  
宮崎正弘  2013.10.10
■近隣諸国と主要国と資源国を優先し、ようやくアジア諸国歴訪に着手
  習近平の外交方針は、最近訪問した外国での演説にほぼ共通する路線がある。 第一に「平和的発展」を謳い、第二は「互恵ウィンウィン」だ。
  外交演説では「非衝突、非対立、相互尊重、協力ウィンウィン」となっていて、毎回随行する外交部ブレーン団が入念に推敲した跡が見られる。 日本を名指しで非難する場面も急に減った。
 2013年になってからの習近平外交の歴訪地をみよう。
  三月にロシア、タンザニア、南ア、コンゴを訪問し、資源外交へのあからさまな急傾斜を見せた。
  五月末から六月にかけてはトリニダード・トバココスタリカ、メキシコを訪問し、直後にカリフォルニア州に立ち寄ってオバマ大統領と会見した。 期待した成果は何もなく、日本を孤立化させる野望は挫けた。
  九月には中央アジアイスラム四カ国、トルクメニスタンカザフスタンウズベキスタンキルギスを訪問し、この間にG20のためサンクト・ペテルブルグに大きく迂回した寄り道をなし、またまたプーチンと会見した。 キルギスでは「上海協力機構」総会に出席した。   主眼は資源、そしてイスラム教徒対策である。
 そして十月、マレーシアとインドネシア訪問し、とくにインドネシア国会で演説。 バリ島のAPEC総会に足を延ばした。  アジアでは中国への嫌悪感が急速に拡がっており、カンボジアをのぞいて中国の味方はいない。 
 マレーシア、ラオス面従腹背、とくにラオスは対ベトナム牽制から中国に接近するが、本当の密接な関係にはない。
 ベトナムとフィリピンは露骨に中国を嫌っており、その分、日本への期待が過剰なほど激しいが、この空気はミャンマーへも拡がりつつある。
  孤立する立場に焦燥をつよめて習近平はアジア歴訪をはじめたと言って良いだろう。