・多くの中国人は韓国を『B級観光地』と考えている。

済州島を旅行した中国人は「もう二度と済州島には行かないつもりだ」と言っている。
・多くの中国人は韓国を『B級観光地』と考えている。
・「旅行2日目に地下鉄で友人と中国語で話をしていたら、おばさんに足でこつこつ蹴られ、隣の車両に行けと手で合図された。 軽蔑の視線を感じた」と中国人女性観光客の羅さん(20)は、地下鉄での経験を話す。







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中国人にとって韓国は「B級観光地」   
古沢襄   2014.02.03
■「安値で行ける旅行先」とのイメージ
 朴槿恵大統領は中国との”蜜月”を演出することに余念がないが、民間レベルでは韓国と中国の関係は冷ややかで蜜月とはほど遠い。
 そのことで韓国を訪れた中国人のほとんどが、旅行中に不快な思いをしているとの調査結果が出ている。韓国の朝鮮日報が伝えた。
  多くの中国人は「宿泊施設や食べ物には失望した」と漏らし、済州島を旅行した中国人は「もう二度と済州島には行かないつもりだ」と言っている。
 中には調査に対して「旅行中に韓国人から見下されたと感じ、実際に見下された」との回答が37%に達した。
 昨年に韓国を訪れた中国人観光客はダントツの392万人。しかし”おもてなし”の心を欠いた受け入れでは先細りするだけであろう。安ければいいというものではない。
<1月15日、休暇を利用して中国浙江省から友人3人と共に韓国を訪れた会社員リン・リーチェンさん(24)は、1人当たり2400元(約4万1400円)=往復料金=の格安航空券を利用した。 泊まったのはソウル・明洞のモーテルで、4泊5日の料金が930元(約1万6000円)というパッケージを利用した。
 宿がとても狭くて苦労したというリンさんは「多くの中国人は韓国を『B級観光地』と考えている。実際来てみると、宿泊施設やサービスもその程度、価格に見合っているという感じだ」と話した。
 昨年秋、旅行代理店を通じて済州島を訪れた呉偉さん(38)は「済州島でやったことといえば、団体でのショッピングだけだ。 宿泊施設や食べ物には失望した」と語った。
 実際、呉さんは済州島に滞在した4日間、健康食品売り場やミカン農場など8カ所の商店を回り、団体でショッピングをする羽目になった。 ガイドが「観光名所」として連れていく場所は、「お化け道路」(下り坂でありながら上り坂に見える錯視現象を引き起こす道路)やドラマの撮影地、市場など、入場料の掛からない所ばかりだった。 呉さんは「もう二度と済州島には行かないつもりだ」と話した。
 昨年韓国を訪れた中国人観光客の数は392万人に達し、国別の外国人観光客数のランキングで断トツの1位となった。 だが、旅行の専門家たちは、中国人観光客たちの脳裏に染み付いている「韓国旅行は安い」という認識を変えられない限り、韓国の観光産業の将来は明るくない」と指摘した。
  今月16日、明洞で記者の取材に応じたウィ・ティンティンさん(24)は「韓国は絶対行きたいという観光地ではなく、経済的な条件に見合っているから行くにすぎない。 費用や時間の面で、行きやすいという点が最大の利点だ」と話した。
 最近、米国の経済紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が報じた「中国人が最も好む国外の観光地ランキング」で、韓国は10位以内に入らなかった。
  中国人観光客は、韓国を訪れる外国人観光客の中で最も支出額が多く「貴重なお客さん」といえる。 しかし、その消費行動を細かく見てみると、中国人にとって韓国旅行がどのような意味を持つものなのかを確認できる。
 2012年現在、中国人観光客が韓国で支払った金額は1人当たり平均2317ドル(約24万1600円)で、外国人観光客の中で最も多かったが、その用途はショッピングに偏っている。
 中国人観光客がショッピングに使った平均金額は1409ドル(約14万6900円)だったのに対し、宿泊費は292ドル(約3万円)にとどまった。
  一方、日本人観光客はショッピングに使った平均金額が375ドル(約3万9100円)、宿泊費が334ドル(約3万4800円)と、ほぼ同程度となった。
  米国人観光客の場合は、ショッピングに使った平均金額(342ドル=約3万5700円)よりも宿泊費の平均(557ドル=約5万8100円)が圧倒的に多かった。
 2012年に中国人観光客が済州島で泊まった宿泊施設は、観光ホテル(39.3%)、モーテルまたはゲストハウス(33.9%)、コンドミニアムまたはペンション(15.6%)の順となり、特級ホテルの比率は8.7%にすぎなかった。
■韓国の観光インフラ、中国人向けは「劣悪」
「韓国では『i』(観光案内所の表示)を探すのが本当に大変ですね。昨年の夏休みに訪れた欧州では、どこに行ってもすぐ見つかりました」
 1月20日、ソウルの地下鉄4号線の明洞駅で出会った中国人大学生、蘇夢怡さん(女)=20=は、地下鉄駅周辺の地図をずっと見詰めながら何かを探していた。
 旅行で韓国を訪れた蘇さんは「観光案内所へ行って観光名所やおいしい店がどこにあるのか聞こうと思ったが、観光案内所が見つからなくて本当に困った」と、ため息をついた。  実際に明洞通りや最寄りの地下鉄駅(明洞駅、乙支路入口駅)では、観光案内所の位置を示した地図や観光案内の看板は見つからなかった。
 北京からやって来た胡金秋さん(女)=27=は、南山で冷や汗をかいた。 胡さんは「ケーブルカーに乗ろうと思ったが、チケット売り場に中国語の案内看板が全くなく、中国語ができる職員もいなかった」と話す。 胡さんは、両手に品物が入った紙袋を幾つも抱えていた。
 すでに中国人観光客は日本人観光客を数字や消費の面で大きく上回っているものの、「大切なお客さん」である中国人観光客を十分にもてなしていない、と指摘する声は多い。  済州観光学会で会長を務めるコ・スンイクさんは「英語圏からやって来る観光客のためのインフラはそれなりに整っているが、中国人観光客を対象としたインフラはひどい」と話す。
  大韓商工会議所が中国人向けの旅行会社300社を対象に調査を行ったところ、中国人観光客に対するホテルや食堂などの収容人員や受け入れ態勢について、業界従事者の66.3%が「非常に不足しており正常なサービスの提供が困難」と回答した。
「サービス低下が懸念される状況」(29.3%)という回答も30%に近かった。一方「全く問題ない」という回答はわずか0.7%にすぎなかった。
 中国人観光客は、韓国での旅行中に「劣悪な宿泊施設」(39.1%)に最も不満を示したほか、「食べ物がひどい」(18.7%)、「中国語での案内が不足」(18.7%)、「見どころの少なさ」(10.9%)、「観光ガイドの資質」(5%)についても不満を示した。
■中国人観光客を冷遇する韓国
 中国人観光客は韓国の観光産業にとって最大のお得意様に浮上したが、実際に韓国を訪れた中国人観光客の多くが韓国旅行中に不快な思いをしているとの調査結果がまとまった。
 本紙が昨年末、ソウル市の繁華街、明洞、東大門、江南で中国人観光客100人を対象にアンケート調査を実施したところ、回答者の25%が「韓国に実際に来てみて、イメージが悪化した」と答えた。
 特に旅行中に「韓国人から見下されたと感じたか、実際に見下された」との回答が37%に達した。 一方、「他国に旅行して見下されたことがある」との回答は10%にとどまった。 世界各地を旅行する中国人観光客が韓国にだけマイナスイメージを持っていることになる。
 中国人観光客が韓国にとってどれだけ上客かは、さまざまな面から実感できる。 昨年中国から韓国を訪れた旅行者は392万人で、外国人旅行者全体の3分の1を占めた。
 また、中国人観光客1人当たりの消費は2012年現在で2153.70ドル(約22万5000円)で、外国人観光客全体の平均1529.50ドル(約16万円)を40%上回る。 1人1日当たりの支出も378ドル(約3万9000円)で、外国人観光客の中ではトップだ。
 韓国経済にもたらす波及効果も大きい。 韓国文化観光研究院が今年3月に発表した報告書によると、昨年韓国を訪れた外国人観光客の付加価値誘発効果は12兆8900億ウォン(約1兆2700億円)、所得誘発効果は5兆2600億ウォン(約5200億円)に上ることが分かった。
 中国人旅行者が全体に占める割合(36.7%)で単純計算しても、中国人による付加価値誘発効果は4兆7300億ウォン(約4600億円)、所得誘発効果は1兆9300億ウォン(約1900億円)に上る計算だ。合計すると7億ウォン近い経済効果を生んでいることになる。
 それにもかかわらず、中国人観光客は本紙の調査で、言葉遣い(12人)、表情(11人)、身振り(8人)などで見下されたと感じていたことが分かった。
「韓国に初めて来たが、もう来ることはないと思う」。 明洞で取材に応じた中国人女性観光客の羅さん(20)は、地下鉄での経験をこう話す。
「旅行2日目に地下鉄で友人と中国語で話をしていたら、おばさんに足でこつこつ蹴られ、隣の車両に行けと手で合図された。 軽蔑の視線を感じた」
羅さんは「東大門市場で服を買うときにも、歓迎されているのはカネだけだと感じた」と語った。(韓国・朝鮮日報)>