・蔓延する汚職、環境悪化、高齢化と少子化は中国の弱みだ!

・蔓延する汚職=中国全土で、一般国民の共産党に対する不信や不満を抑えるために、国家レベルの汚職追放の運動が展開されているが、党がどこまでその運動を許容するかはまだ未知数だ! 結果次第で共産党への不信がさらに広まる可能性がある。
・環境問題への対応=環境悪化は経済発展や公衆衛生、社会の安定、中国の対外イメージなどを損ない、最終的には政権の正当性をも脅かすことになる。
・高齢化と少子化=人口の高齢化と少子化は、経済を停滞させ、中国共産党の正当性を脅かす。中国政府は社会政策、健康政策への資源配分を増やさなければならなくなる。
・蔓延する汚職、環境悪化、高齢化と少子化は中国の弱みだ!






〜〜〜関連情報<参考>〜〜〜
中国首脳陣はなにを悩むか(最終報告)   
古森義久  2014.06.13
 中国共産党の首脳陣にとっての懸念とはなにか。 アメリカ国防総省の診断です。
<中国の首脳陣が憂慮する6つの難題米国防省が中国の「弱み」を指摘>

【蔓延する汚職
 中国共産党は、党内の腐敗をなくし、国民の要求に対して責任ある対応を取ることを国民から求められている。同時に党内の透明性や責任の履行も求められる。
  共産党がこれらの要求に応じない場合、一党支配の正当性が脅かされることになる。 いま中国全土で、一般国民の共産党に対する不信や不満を抑えるために、国家レベルの汚職追放の運動が展開されている。
 だが、党がどこまでその運動を許容するかはまだ未知数である。その結果次第で共産党への不信がさらに広まる可能性がある。

【環境問題への対応】
  中国経済の高度成長によって、国民は環境面で多大な犠牲を強いられている。首脳陣は国内の環境汚染の悪化にますます懸念を抱いている。
 環境悪化は経済発展や公衆衛生、社会の安定、中国の対外イメージなどを損ない、最終的には政権の正当性をも脅かすことになる。
 中国の国家経済全体の成長を抑えつけることにもつながり、大きな政治的危険をはらんでいる。 環境問題が政治に及ぼす影響に、首脳陣は最近特に悩まされているようだ。

【高齢化と少子化
 中国は、いま高齢化と少子化という人口動態上の二重の脅威に直面している。 少子化の結果、出生率は1.0 以下へと低下した。 国民の平均寿命が延びると、中国政府は社会政策、健康政策への資源配分を増やさなければならなくなる。 同時に出生率の低下によって、若く安価な労働力が減少する。 これまでの30年は、安価な労働力が中国経済を高度成長させるカギとなってきた。 人口の高齢化と少子化は、経済を停滞させ、中国共産党の正当性を脅かす。

  今回の米国防総省の報告は、中国の軍事能力そのものを調査し、公表することが主な目的だが、中国共産党の指導層は自国の戦略的発展を阻害する要因として上記のような諸点を心配していると解説している。
 これらは、いわば現代の中国の弱みだとも言えよう。日本側としても中国をウォッチする上で心に留めておくべき指摘である。(終わり)