・米経済の成長見通しは、ほとんどの主要先進国・地域より明るい。

・米経済の成長見通しは、ほとんどの主要先進国・地域より明るい。
世界銀行は、ユーロ圏および日本の2015年の経済成長を2%未満と予測している。
・米国が世界の投資家にとって安全な場所であり続ける限り、利上げの影響の多くは海外投資家の需要が吸収してくれるだろう。
・2015年の米国は、景気回復の継続に向けて順風満帆に見える。









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2015年の米経済は「順風満帆」へ    
古澤襄  2014.12.25
■ロイター・コラムでDaniel Indiviglio氏が予測
[ワシントン 23日 ロイター]米国はついに、過去5年待ち望んできた景気回復をつかみとったようだ。  ほんの数カ月前には、海外からのリスクが懸案材料だった。 しかし、堅調な国内経済の成長と雇用情勢の改善がもたらす追い風の前では、その影も小さくなりつつある。
  住宅市場がいよいよ上向けば、米経済は2015年中に開始される公算の利上げさえ、難なく乗り越えていくとみられる。
  過去数年の米経済は、2012年と2013年に年率2%の成長をなんとか達成した程度で、順調な回復とは言い切れない状態が続いてきた。 しかし、2014年は第1・四半期こそ天候不順の影響もあって前期比年率2%超のマイナスとなったものの、続く第2・四半期と第3・四半期は平均4.8%の高い伸びとなった。
  雇用情勢も明るさを増している。11月の雇用統計では、非農業部門の雇用者数が32万1000人増と、2012年1月以来約3年ぶりの大幅な伸びとなり、6カ月平均としては2000年以降で最も強い数字を記録した。
 また、賃金も上昇傾向にある。11月の可処分所得(インフレ調整後)は前年比3%増加となり、2012年12月以来の大幅な伸びとなった。
  米経済の成長見通しは、ほとんどの主要先進国・地域より明るい。世界銀行は、ユーロ圏および日本の2015年の経済成長を2%未満と予測している。
  今年はロシアのウクライナに対する攻撃的な姿勢や、中東での過激派組織「イスラム国」の台頭など、地政学的リスクはあったものの、米経済成長の勢いは鈍らず、エネルギー価格も上昇しなかった。
 金融市場では、エボラ出血熱に対する懸念もひと段落したようだ。
  雇用が一段と伸びてくれば、世帯形成の加速で住宅購入は後押しされる。
 住宅部門は、前期比年率で5.0%増となった第3・四半期GDPへの寄与度は限定的だった。しかし本格的に復調すれば、たとえ他部門が多少冷え込んだとしても、それをカバーして経済成長を支える可能性がある。
  2015年中に米連邦準備理事会(FRB)が利上げを開始すれば、借入金の負担は増すことになるが、一方で銀行の収益性を示す純金利マージンは上昇につながる。
 米国が世界の投資家にとって安全な場所であり続ける限り、利上げの影響の多くは海外投資家の需要が吸収してくれるだろう。

 最後に、政治状況を見ておこう。 中間選挙を経て共和党が上下院を支配するようになった議会では、政治のこう着状態が続くかもしれない。
 ただ規制の枠組みが大きく動かないことは、企業部門にとってそこまで悪い話ではない。
 また政治が機能すれば、税制改革を通じた企業負担の軽減があるかもしれない。
  予期せぬリスクは常に目に見えない場所に潜んでいる。ただそれでも2015年の米国は、景気回復の継続に向けて順風満帆に見える。

*筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。(ロイター)