・中国のSSBNに搭載されている潜水艦発射弾道ミサイル「巨浪2」の射程は推定約8000キロ。

・10月27日、米イージス駆逐艦ラッセンは問題の領域に入った。
オバマが、決断した理由は〈直接的な「核の脅威」にある〉というのだ。
・遅過ぎたとはいえ、オバマ政権の、ここ数年で最もあからさまな中国への「回答」に対して中国はどう出るか?
・経済改革がうまくいっていない習近平が〈アメリカとの勝ち目のない戦いに乗り出している場合ではない〉という事情もある。
・軍事的優位を維持するアメリカと、天井知らずの野心を持つ中国が、真正面からにらみ合い、対立の火花を散らす時代の到来は間違いない。
・「年内に中国は初のSSBN(弾道ミサイル搭載原子力潜水艦)による核抑止パトロールを行う可能性が高い」〉
・中国のSSBNに搭載されている潜水艦発射弾道ミサイル「巨浪2」の射程は推定約8000キロ。 中国が南シナ海を拠点にすれば〈米太平洋軍の司令部があるハワイを脅かすことができる〉。













〜〜〜関連情報(参考)〜〜〜
2015.11.8 01:00更新  【花田紀凱の週刊誌ウォッチング〈539〉】
南シナ海を泳ぐ中国原潜が米本土を狙う日」 NW日本版が特集で「オバマ決断の理由は『核の脅威』」
米国が南シナ海の中国・人工島周辺に派遣したイージス駆逐艦ラッセン(ロイター)

 南シナ海は世界の海上貿易の半分以上の貨物が通行する最重要シーレーン。年間5兆3000億ドルの貨物が行き交う。そのうち1兆2000億ドルがアメリカ発着の貨物だ。
 10月27日、米イージス駆逐艦ラッセンは問題の領域に入った。
 で、『ニューズウィーク日本版』(11・10)が大特集12ページで、表紙に「アメリカVS.中国」。こういう時はやっぱり『NW日本版』が頼りになる。
 星条旗五星紅旗をあしらったボクシングのグラブを組み合わせた表紙デザインもさすが(一見の価値あり)。
 遅過ぎたとはいえ、オバマ政権の〈ここ数年で最もあからさまな中国への「回答」〉に対して中国はどう出るか。
 大半のアナリストは〈正面対決はまずあり得ない〉とみているという。
 〈アメリカと中国は敵同士というよりライバル同士だ。2国内の貿易額は昨年6000億ドル近くに達し、中国が保有する米国債残高は1兆2600億ドル(中略)互いに協力せざるを得ない〉し、経済改革がうまくいっていない習近平が〈アメリカとの勝ち目のない戦いに乗り出している場合ではない〉という事情もある。
 とはいえ、〈軍事的優位を維持するアメリカと、天井知らずの野心を持つ中国が、真正面からにらみ合い、対立の火花を散らす時代〉の到来は間違いない。
特集の1本で1ページながら「南シナ海を泳ぐ中国原潜が米本土を狙う日」も貴重なリポート。
 オバマが、決断した理由は〈直接的な「核の脅威」にある〉というのだ。
 〈今年5月に米国防総省が発表した中国の軍事に関する報告書に、注目すべき一節があった。「年内に中国は初のSSBN(弾道ミサイル搭載原子力潜水艦)による核抑止パトロールを行う可能性が高い」〉
 搭載されている潜水艦発射弾道ミサイル「巨浪2」の射程は推定約8000キロ。中国が南シナ海を拠点にすれば〈米太平洋軍の司令部があるハワイを脅かすことができる〉からだ。
 他誌に触れる余裕がなくなった。(『WiLL』編集長)