・「イソプロテレノール」は認知症に効果

アルツハイマー病患者では神経細胞の中で「タウ」と呼ばれるタンパク質が異常に集まり、細胞が死ぬ。
・薬「イソプロテレノール」を餌に混ぜて投与したところ、神経細胞が3カ月後でも減少しなかった。脳機能の低下や行動の異常も抑えられた。
・「イソプロテレノール」は認知症に効果





〜〜〜関連情報(参考)〜〜〜
2015.12.16 19:23更新
不整脈薬、認知症に効果 マウスの神経減少防ぐ

 不整脈の治療薬が、アルツハイマー病で起こる脳の神経細胞の減少を防ぐ効果があるとのマウスの実験結果を、国立長寿医療研究センター(愛知県)や理化学研究所(埼玉県)、同志社大京都府)などのチームが16日、英科学誌ネイチャーコミュニケーションズ電子版に発表した。
 この薬は不整脈や気管支ぜんそくの治療に使われる「イソプロテレノール」。チームの高島明彦・同センター分子基盤研究部長は「認知症の進行を止める世界で初めての薬になるかもしれない。人での効果をできるだけ早く明らかにしたい」と話している。
 アルツハイマー病患者では神経細胞の中で「タウ」と呼ばれるタンパク質が異常に集まり、細胞が死ぬことが知られている。
 チームは、タウが過剰に作られ認知症のような症状を起こすマウスは通常、3カ月後に神経細胞が11〜28%減少するが、この薬を餌に混ぜて投与したところ、3カ月後でも減少しなかった。脳機能の低下や行動の異常も抑えられた。
 アルツハイマー病患者の脳で異常に蓄積するタンパク質「アミロイドベータ」を標的とした薬の開発も進められているが、症状の進行を止める効果が証明されたものはないという。