・中国のチベット政策に批判的なチャールズ皇太子は、晩餐会を欠席した。「札束に物を言わせた無礼は認めない」がエリザベス女王の隠れメッセージか。

・「とても非礼だった」。 昨秋英国を公式訪問した、中国の習近平国家主席一行についてのエリザベス女王の発言である。
・晩餐会での習主席のスピーチは、おなじみの日本批判の内容だった。
・出された高級赤ワインは、天安門事件と同じ1989年モノである。
・中国のチベット政策に批判的なチャールズ皇太子は、晩餐会を欠席した。
・「札束に物を言わせた無礼は認めない」がエリザベス女王の隠れメッセージか。








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2016.5.13 05:04更新   【産経抄
女王陛下のメッセージ 5月13日

 フィンガーボウルは、果物などを食べた後、指先をすすぐ水の入った器である。使ったことがなくてもなじみがあるのは、こんな話をどこかで聞いているからだろう。
 ▼英国のエリザベス女王が、ある国の賓客(ひんきゃく)を晩餐会(ばんさんかい)でもてなした。欧米のマナーに疎い客は、フィンガーボウルの水を飲んでしまう。女王は何食わぬ顔で同じように振る舞った。客に恥をかかせないためである。
 ▼在位64年に及ぶエリザベス女王は、100組を超す世界中の国賓たちをもてなしてきた。そんな「最強の外交官」の口から出ただけに、余計に驚かされる。「とても非礼だった」。昨秋英国を公式訪問した、中国の習近平国家主席一行についての発言である。
 ▼バッキンガム宮殿で開催された園遊会での会話を、テレビカメラのマイクに拾われてしまった。女王の「うっかりミス」とは考えにくい。というのも、すでに習主席の訪英中に、いくつかの「伏線」があったからだ。王室主催の晩餐会での習主席のスピーチは、おなじみの日本批判を交えた内容だった。
 ▼真横に座るアンドルー王子が、ほおづえをついて退屈そうに聞いている。その姿をとらえた写真が世界中に配信された。出された高級赤ワインは、中国当局民主化を求める学生を弾圧した、天安門事件と同じ1989年モノである。英国風の皮肉?との臆測を呼んだ。そもそも中国のチベット政策に批判的なチャールズ皇太子は、晩餐会を欠席している。
 ▼習主席が英国政府に約束した投資額は、日本円で約6兆6800億円にのぼる。英国と中国は「黄金時代」を迎えたはずだった。
「札束に物を言わせた無礼は認めない」。女王の発言には、王室から中国へのこんなメッセージが込められているのではないか。