菅直人首相も、枝野幸男官房長官も、北方領土対応に最悪の状態にいとも易々と入り、責任の重大さを感じないのは本当に日本の国益を考慮する政治家だろうか?

・三条 健です。
・2010年11月のメドベージェフ大統領、12月の第1副首相に続いてロシア国防次官が北方領土択捉島視察に入った。
枝野幸男官房長官は21日の会見で「わが国の立場と相いれない行動であり、大変遺憾だ」とやんわりと述べるにとどめた。 全く不十分な対応だ!
菅直人政権はメドベージェフ大統領の国後島訪問に対し、駐露日本大使を一時帰国させるにとどめた。
・第1副首相の国後・択捉島訪問には、佐々江賢一郎事務次官が駐日ロシア大使に抗議しただけだ。 どんどんトーンが下降している。 これではロシアの思う壺だ! 日本の対応は消極的に過ぎ、領土問題に鈍感な国だと思われてしまった。菅直人首相も、枝野幸男官房長官も、北方領土対応に最悪の状態にいとも易々と入り、責任の重大さを感じないのは本当に日本の国益を考慮する政治家だろうか?

〜〜〜関連情報<参考>〜〜〜
露次官択捉入り 軍備強化許してはならぬ
2011.1.23 02:55
 ロシア国防次官が北方領土択捉島に入った。昨年11月のメドベージェフ大統領、12月の第1副首相に続く国防幹部の視察だ。日本固有の領土である北方四島の不法占拠の固定化に加え、軍備強化をも狙った許し難い行為である。

 枝野幸男官房長官は21日の会見で「わが国の立場と相いれない行動であり、大変遺憾だ」と述べるにとどめた。不十分である。外務省は駐日ロシア大使を呼ぶなど、目に見える形で抗議の意思を示す必要がある。

 枝野長官は「日露両国が静かな環境で領土問題の解決に向けた交渉を行うことが重要だ」とも述べた。日本側から騒ぎ立てない方が得策だと考えているとしたら、大間違いである。

 ロシアは平成5(1993)年の東京宣言で、「北方四島の帰属に関する問題を法と正義の原則により解決する」と約束した。四島が係争地であることを公式に認めながら、そこに大統領をはじめ政府要人がたて続けに3度も入ったことは、重大な約束違反だ。

 日本はそのことをロシア側だけでなく、国際社会にも繰り返し訴えていかねばならない。

 菅直人政権はメドベージェフ大統領の国後島訪問に対し、駐露日本大使を一時帰国させるにとどめた。第1副首相の国後・択捉島訪問には、佐々江賢一郎事務次官が駐日ロシア大使に抗議しただけだ。今回は、そこまでしないという。日本の対応は消極的に過ぎ、領土問題に鈍感な国だと国際社会に受け取られかねない。

 前原誠司外相は国土交通相だった一昨年10月、北方領土を洋上視察し、「歴史的にも北方四島は日本固有の領土であり、終戦のどさくさに紛れて(旧ソ連が)まさに不法占拠した」と述べた。外相としても、「ロシアが北方四島を不法占拠」と言い続けてほしい。

 ロシアが北方領土返還を拒む大きな理由は、四島の軍事的価値にあるとされる。露太平洋艦隊にとって、四島間の択捉水道や国後水道は年間を通じてオホーツク海から太平洋に出られる不凍海峡として重要な意味を持つからだ。

 択捉島で昨夏、大規模な軍事演習が行われた。単独で強襲揚陸作戦を実施できる新型強襲揚陸艦を四島周辺海域に配備する計画も浮上している。菅政権は北方方面におけるロシアに対する警戒と防備を怠ってはならない。