生産面の混乱に拠る経済混乱拡大に対して、どう責任を取るのか説明をせよ?

・日本経済は電力による裏付けがなければ、生産面の混乱が長期化・拡大する可能性がある。「これでは企業は生産を海外に移さざるを得なくなる」(日本経団連幹部)
・夏場に電力が不足する東電管内から関電管内に生産を移管する企業も多いとみられ、関電もどれほどの余裕が残るのか定かでない。
・「何の調整もなく唐突すぎる。浜岡だけでなく他の原発も突然停止要請される可能性も否定できない」
・「原発が怖いという市民感情」に乗って内閣支持率をあげようという魂胆なら軽率の誹りを免れない。 菅内閣は「原発 全面停止」へ舵を切ったも同然だ! 生産面の混乱に拠る経済混乱拡大に対して、どう責任を取るのか説明をせよ?

〜〜〜関連情報<参考>〜〜〜
浜岡原発 全面停止へ 経済混乱拡大懸念 
古沢襄
2011.05.08 Sunday

 福島原発放射性物質洩れで、原発そのものに対する不安感が広がっている。そこに浜岡原発の全面停止の首相要請が出たから、反原発運動に火をつけた観がある。
 しかし日本経済は電力による裏付けがなければ、生産面の混乱が長期化・拡大する可能性がある。経済界からの不安や反発が出ている。経済界に対する根回しがないまま、唐突に浜岡原発の全面停止を持ち出した理由がいまひとつ明らかでない。
 原発が怖いという市民感情に乗って内閣支持率をあげようという魂胆なら軽率の誹りを免れない。政府の説明責任を求めるべきではないか。

中部電力浜岡原発が政府の要請を受けて全面停止する見通しになったことに対し、経済界からは「東日本大震災で生じた生産の混乱が長期化・拡大する可能性がある」と反発の声が上がっている。夏場に電力が不足する東京電力管内に生産拠点を持つ企業は、中部電を含む他電力エリアへの生産移管を計画していたケースも多いとみられるが、中部電の需給も逼迫(ひっぱく)する見込みになり、「これでは企業は生産を海外に移さざるを得なくなる」(日本経団連幹部)との悲鳴も上がる。【工藤昭久、宮崎泰宏、米川直己】

 中部電が策定した11年度の供給計画によると、同社の供給力は最大約3000万キロワットで、ピーク時に消費する最大電力量を約2560万キロワットと想定。差し引いた予備電力は約440万キロワットだった。
 浜岡原発の供給電力量は、現在定期検査中の3号機と4、5号機の合計で約360万キロワット。浜岡原発を全面停止した場合の予備電力量は約80万キロワットに落ち込み、予備電力率は3%程度に低下する。
 中部電の水野明久社長は5日、浜岡原発を視察した海江田万里経済産業相との会談後、記者団に「三つの原子炉が止まる状況になれば、電力不足になりかねない」と懸念を表明。海江田経産相は「計画停電をする事態にはならない」とするが、同社幹部は「計画停電などをお願いする可能性もある。東電に融通している電力供給にも影響が出る恐れがある」と話す。
 海江田経産相関西電力に対し、電力が不足する際は中部電に電力を融通するよう支援要請したが、夏場に電力が不足する東電管内から関電管内に生産を移管する企業も多いとみられ、関電もどれほどの余裕が残るのか定かでない。

 中部電管内は、トヨタ自動車、ホンダ、スズキなどメーカーの生産拠点が集積する。東電管内の電力不足を受け、ホンダが3月に発売予定だった小型車「フィットシャトル」の生産を埼玉県の生産拠点から鈴鹿製作所(三重県鈴鹿市)に移すなど、中部電管内に生産の一部移管を進めるメーカーもあった。それだけに、政府が突然、浜岡原発の全面停止を求めたことに、「中部まで計画停電になるのでは困る」(大手自動車幹部)と反発や戸惑いが広がる。
 夏の電力不足に備えて自主的な節電計画づくりを企業に促してきた経団連幹部も「何の調整もなく唐突すぎる。浜岡だけでなく他の原発も突然停止要請される可能性も否定できない」と、政府が経済界への根回しなしに方針を決めたことを批判する。
 また、トヨタ系部品メーカー首脳は「今は生産水準が低いので心配はないが、生産が軌道に乗る夏場に原発がすべて停止するとなると、電力が確保できるかどうか不安」。JR東海幹部は「もし計画停電などを実施する場合は、鉄道輸送の重要性から一定の配慮を要請せざるを得ない」と話している。(毎日)>