・放射能を閉じ込める防壁が全て無くなってしまう。 汚染の広がりを食い止められなくなりますので、可能性のある限りは対策を取らなければいけない!

・東電発表の溶け落ちた燃料の状態の解析は、格納容器のコンクリート部分の温度が何度になっていることすら、わからないまま、計算をしてる?
・炉心が融けて圧力容器のそこに落ちて、底を貫き通し、さらに格納容器という容器の底に落ちた。 そこはコンクリートの床張りがあるので、そのコンクリートを溶かしながら下に沈んで、場合によっては格納容器の鋼鉄製の容器を溶かしてさらに下に落ちているかもしれない。
放射能を閉じ込める防壁が全て無くなってしまう。 汚染の広がりを食い止められなくなりますので、可能性のある限りは対策を取らなければいけない!



〜〜〜関連情報<参考>〜〜〜
2011年12月01日08:12 東電発表の溶け落ちた燃料の状態の解析結果 1号機メルトスルーまで37センチ 11/30 2011年11月30日(水)  小出裕章    「たね蒔きジャーナル」 

水野「まず、東電がですね、福島第一原発の事故で溶け落ちた核燃料が今どこにあるかと、いうことを推定して発表したというニュースについてなんですが。わたくし正直言いまして東電の発表の言葉を聞いても、小出先生、意味がよくわからないんです」「で、是非ここのとこ教えていただきたいのですが」
「まず小出先生が今までどういう事を主張してらっしゃったかというのをま、私の言葉でおさらいしてみますので、間違ってたら教えてくださいね」
「えー東電がメルトダウンの可能性をずっと否定していたような早い時期から」「小出先生おっしゃっていたのはもうメルトダウンしている」
「さらに、圧力容器はもう通り抜けて」「その外側にある格納容器、をも一部破損させて」「底に穴が開いたような状況になっているだろう」
小出「はい」
水野「で、その下にあるコンクリート部分に融け落ちたこの核燃料がドンドンと落ちていっていて、で水をその上からかけるもんだから汚染水がどんどん土壌に染みこんでいるのではないかとおっしゃっていたと思うんです」
小出「はい。ちょっと違うかなあ。 炉心が融けてですね、格納容器ではなくて圧力容器のそこに落ちて、底を貫き通したと。で、それがさらに格納容器という容器のえー底に落ちた。 そこはあのーコンクリートの床張りがあるので、そのコンクリートを溶かしながら下に沈んで、え…場合によっては格納容器の鋼鉄製の、まあ容器を溶かしてさらに下に落ちているかもしれないと、言ったのだと思います」
水野「私が分かっていなかったのは、まず格納容器の鋼鉄……」「の釜の底の部分」
小出「圧力容器……じゃなくてですか?」
水野「はい。格納容器の鋼鉄の部分のよりもまだ、上と言うんですか、浅いところにコンクリートの部分が」
小出「あるのです。」
水野「あるというのが私は構造上全然わかっていなかったん……」「あの、今の話を聞いて思いました」
東京電力が言ってるのは、今日メルトダウンした燃料が圧力容器を突き抜けたものの、格納容器にとどまっていて」
「そこで冷却されているというふうに発表したんですよ」
「そうすると、小出先生の見立てよりも、東電の見立てはかなり甘いのでは……」
小出「そうです」
水野「ないでしょうかとおっしゃってます」
小出「はい。おっしゃる通りです」
水野「はあー。どの部分が甘いんですか」
小出「えー。私はそ、格納容器というのは、放射能を閉じ込める最後の砦、であって……」「はい。砦が壊れてしまうかどうかということは大変重要なことであって。私は格納容器の鋼鉄が壊されて、格納容器そのものの……あ、ごめんなさい、格納容器の底にあるコンクリートは壊されて、えーその下にある格納容器の鋼鉄製の、え……まあ構造物自身も壊れているかもしれないと。そうなってしまうと放射能を閉じ込める防壁が全て無くなってしまうので、え……もう仕方が無いので地下にダムを作ってくださいと言っていたのですね。」
水野「そうですね」
小出「はい。えー……私自身もどこまでいってるか実は自信がないまま……」
水野「誰も見ることはできないわけです」
小出「そうなのです。ですから最悪のことを想定しながら、やらなければいけないと私は思ってきましたし、私自身は今でもその、格納容器の鋼鉄にすでに穴が開いているという疑いを捨てきれ、ない、でいますけれども。東京電力はそこまではいっていないという発表を今日はしたのですね」

近藤「あのー、東電の発表で推測すれば鋼鉄の板までが、えー30数センチですか?」「まだあるということですよね」
「これは要するに解析、の結果そういう事だっていう発表の仕方なんですが」
小出「そうです」
近藤「先生がおっしゃった、なんでこういうことがわかるんですか」
小出「わからないのです」
近藤「わかんないじゃなくて(笑)」
小出「ようするにあのー、今回の事故はあの私たち全く経験のしたことがないことが起きている、わけで。えー……東京電力は解析をしたと言っていますけれども、解析というのはその、色々なパラメーターを入れなければいけない、のですが。例えば温度の条件とかですね、圧力の条件であるとか、様々な仮定に仮定を積み重ねるわけですけれども。仮定をするためのその、データ自身がないのです」
近藤「うーん」
小出「はい。格納容器のその、コンクリートの部分の温度が何度になっていることすら、わからないまま、計算をしてるわけです」
近藤「そうすると、こ、これもあくまでも、計算したって根拠がないんじゃないですか?」
小出「ない。根拠レスだと。私は言っていいと思います。」「例えば1979年に、米国のスリーマイル島原子力発電所原子力発電所というとこで事故が起きたのですが、原子力推進してる人たちは、原子炉の炉心自身は融けていないとずうっと言っていたのです。」
「解析も様々な解析をしながら融けていないといっていたのですが。えー事故が終わって7年半経って、圧力容器の蓋を開けてみたら実はもう原子炉の半分が溶け落ちていたということがわかったという」
水野「7年半経って開けてみないとわからなかったんですか」
小出「そうです。」
近藤「先生そうすると、先生も推測でそういうまあ過去の事例なんかも元に推測してそういうふうに判断したわけですよね」
小出「そうです」
近藤「そうすると、この後もその鋼鉄の板まで融か、融けて落ちるっていう推測もそれはできるわけですよね」
小出「私はそう、その可能性があると思って来ましたし、そうなってしまうと汚染の広がりを食い止められなくなりますので、可能性のある限りは対策を取らなければいけないと主張してきました」
水野「はい」
近藤「もし、鋼鉄の板も溶かしていたらどうなるんですか」
小出「えーさらに、下に構造物を溶かしながら地面にめり込んでいくということになります」
近藤「それは永遠に果てしなくそういうことが続いていくんですか」
小出「そうではありません。えー……永遠に果てしなく続くということは、え、まあブラックジョークで言われたわけで、スリーマイル島の事故がある頃にチャイナ・シンドロームという映画ができて、果てしなく地下に融かし、融け込んでいって、地球のコアを通り抜けて、はん、地球の反対側の中国に飛び出してくるというのがまあチャイナ・シンドロームというブラックジョークですけれども。私はそうは多分ならないと、えー、格納容器のこう、鋼鉄を融かして地下にめり込むとしても、多分5メートル10メートルでとまるだろうと私は推測している」
近藤「水が止めるんですか」
小出「えっとですね。もともとその炉心という部分は、ウランの瀬戸物なんですが、約100トンの重さがあるのですね」
水野「はあはあ」
小出「それでそれを2800度を超えて融かして、瀬戸物が全体どろどろになって融け落ちて行くわけですけれども。えー溶け落ちていくと圧力容器の鋼鉄を溶かして一体になるわけだし。えーさらにまた格納容器のコンクリート、鋼鉄を融かしてまた一体になってくわけですね。どんどんその体型が大きくなってくわけです。でも発熱自身は崩壊熱という発熱しかありませんから、どこかでバランスがとれた段階で、もう融けることが出来なくなる、という条件がかならず来るのです」
近藤「ああそうですか」
小出「はい。私はそれが地下にまあめり込んだとしても5メートルか10メートルだろうと、あまり科学的な根拠はないのですが(苦笑)、多分そうだろうと私は思っていて。」
平野「ああ……」
小出「地下に、その5メートルあるいは10メートルの遮水壁を作らなければいけないというのが、私のあの、要望でした。」
水野「そうですね」「これをずっとおっしゃってきたわけですけれども」
小出「そうです。5月からです(苦笑)。」
水野「そうですねえ。でも、これ、大切なところはだから鋼鉄の壁を、壊されているかどうかっていう今の判断って非常に大きな意味があるんでしょうが」
小出「とっても意味があるのですが。東京電力もようするにその、いわゆる計算をしたというだけなのですね。本当にその原子炉の融けた炉心がどこにあるかということは見ることもできないし、……実際に測定して知ることもできないということなの、ですね。」
水野「うーん……あくまで、この容器は突き抜けていないという東電の今の判断が、これからの処置にも大きく関わるわけですね。結局遮水壁つくらなければいけないんかとか全部関わってくることですね」
小出「東京電力も遮水壁はいずれ作ると言っているのですけれども。私は、早くそれをやらなければいけないといっているわけだし。東京電力の今回の計算結果というのはまだ余裕がある30数センチですか? ぐらいはまだ余裕があると言っているわけですけれども。本当にその余裕があるかどうか、私には自信がないし不安ですので、えー最悪のことを考えて処置すべきだと、私は思います」

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(関連報道ここから)
燃料溶融 廃炉には厳しい課題
12月1日 5時19分

東京電力は、福島第一原子力発電所の事故でメルトダウンが起きた1号機から3号機について、溶け落ちた燃料が原子炉の底を突き破り、格納容器の底を浸食するまで広がったという解析結果を示しました。今後の廃炉に向けて、格納容器の底にまで広がった燃料を取り出さなければならないという世界でも例がない厳しい課題を突きつけられたことになります。

東京電力は、福島第一原発の1号機から3号機で、メルトダウンで溶け落ちた燃料の状態を調べるため、原子炉への注水や温度の変化から解析しました。このうち1号機では、最悪の場合、溶け落ちた燃料のすべてが原子炉の底を突き破り、格納容器に落下して、格納容器の底にあるコンクリートを溶かし、65センチの深さまで浸食したと推定しています。コンクリートは最も薄いところでは、格納容器の鋼板まで37センチしかないということで、事故の深刻さが改めて浮き彫りになりました。また2号機と3号機でも、最悪の場合、それぞれ57%と63%の燃料が格納容器に落下し、2号機で12センチ、3号機で20センチの深さまで格納容器の底のコンクリートを浸食したとしています。1979年に起きたアメリカのスリーマイル島の事故では、溶けた燃料が原子炉にとどまっていて、今回の解析結果は、福島第一原発の今後の廃炉に向けて、格納容器の底にまで広がった燃料を取り出さなければならないという世界でも例がない厳しい課題を突きつけたことになります。
 東京電力は、格納容器の底には水がたまり、燃料は冷やされているので、コンクリートの浸食は止まっていて、年内を目標にしている原子炉周辺の温度が100度を安定して下回る「冷温停止状態」の達成に影響はないと説明しています。しかし、1号機の格納容器の底には水が40センチほどしかたまっておらず、燃料を安定して冷やせるかどうか不透明で、「冷温停止」の判断ができるか疑問を残す形になっています。