・中国はそうした有事のために台湾を侵攻し、占領できる軍事能力を保持している!

・三条 健です。
・米国の国政の場では、2012年となっても中国の軍事力増強が依然、重大な課題となったままで、中国の軍拡 が米国の安全保障や防衛に投射する重みは、これまで以上となった!
・ 中国の軍拡は、わが日本にとっては多様な意味で、米国にとってよりも、さらに切迫した課題で、日本の安全保障や領土保全に深刻な影を投げる懸念の対象だ!   
・中国の史上 前例のない大規模な軍事力の増強と膨張が、日本にとって明らかな脅威として拡大している! 450発の核弾頭、空母、ステルス戦闘機、衛星破壊兵器、宇宙基地、サイバー攻撃・・・
サイバー攻撃に関する限り米中戦争はもう始まった!
・中国の軍拡は日本や台湾に重大な影響を及ぼし、その背後に存在する米国のアジア政策とぶつかるだけでなく、米国主導の現行の国際秩序へのチャレンジとなってきた!
中国人民解放軍が開発を急ぐ対艦弾道ミサイル(ASBM)は明らかに米軍の原子力空母を標的にしている。  この特定のミサイルが長距離で狙う艦艇というのは、米国しか保有していない。
・中国は台湾を自国領土と完全に見なしており、その独立宣言などに対しては軍事力を使ってでも、阻止や抑止をすることを宣言している。   
・中国はそうした有事のために台湾を侵攻し、占領できる軍事能力を保持している!



〜〜〜関連情報<参考>〜〜〜
中国の正体は
中国の正体に気がつかない日本
古森義久
2012.02.09 Thursday
 中国の軍事力増強をアメリカはどうみるのか。日本ではそれがなぜ国政上の論題とならないのか。新書の発刊に合わせて、一文を書きました。
 日本ビジネスプレスの古森義久の連載コラム「国際激流と日本」から、です。原文へのリンクは以下です。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/34473
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 米国の国政の場では、2012年となっても中国の軍事力増強が依然、重大な課題となったままである。  いや、中国の軍拡 が米国の安全保障や防衛に投射する重みは、これまで以上となった。
 今や熱気を増す大統領選挙の予備選でも、対中政策、特に中国の軍拡への対応策は各候補の 間で主要な論争点ともなってきた。
 中国の軍拡は、わが日本にとっては多様な意味で米国にとってよりも、さらに切迫した課題である。  日本の安全保障や領土保全に深刻な影を投げる懸念の対象だと言える。
 だが、日本では中国の軍拡が国政上の論題となることがない。一体なぜなのか。 そんな現状のままでよいのか。
中国はこの20年間、前年比で2桁増額の軍拡を続行:
 私はこのほど『「中国の正体」を暴く』 (小学館101新書)という書を世に出した。 自著の単なる宣伝とも思われるリスクをあえて覚悟の上で、今回は、この書が問う諸点を提起したい。
 中国の史上 前例のない大規模な軍事力の増強と膨張が、日本にとって明らかな脅威として拡大しているからである。今そこにある危機に対し、日本国内の注意を喚起したい からでもある。
 この書の副題は、「アメリカが威信をかける『赤い脅威研究』の現場から」。  本書に付けられたキャッチコピーの一部から、概要が分かっていただけると思う。
 「450発の核弾頭、空母、ステルス戦闘機、衛星破壊兵器、宇宙基地、サイバー攻撃・・・」
「増大するその脅威はかつてのソ連を凌ぐ!」
「今、アメリカが最も恐れる国」
「ワシントン発! 中国研究の先鋭たちを徹底取材」
サイバー攻撃に関する限り米中戦争はもう始まりました」
 この書の主体は米国側の政府や議会、さらには官民の専門家たちが中国の軍拡をどう見るのかの報告である。  中国が公式に発表する国防予算だけでも、ここ20年ほど一貫して前年比で2桁増の大幅な増額を果たしてきたことは周知の事実である。
 その上に公表されない領域での核兵器弾道ミサイル、空母、潜水艦、駆逐艦、戦闘機などのハードウエアの増強がさらに顕著なのだ。(つづく)
中国の正体は――その最終軍事目標はなにか
古森義久
2012.02.09 Thursday
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中国の軍拡は米国や日本への明らかな挑戦:
 中国の軍事の秘密の動向は米国でしか実態をつかめない部分が大きい。なにしろ唯一のスーパーパワーたる米国の情報収集力は全世界でも抜群なのであ る。  日本が足元にも及ばないほどの諜報の能力をも有している。  人工衛星偵察機による偵察、ハイテク手段による軍事通信の傍受、あるいはサイバー手段によ る軍事情報の取得などの能力は米国ならでは、である。
 私は『「中国の正体」を暴く』で、米国の中国軍事研究の専門家たち少なくとも12人に詳細なインタビューをして、彼らの見解をまとめて発表した。
 その結果、浮かび上がった全体像としては、第1に、中国の大軍拡が疾走していく方向には、どう見ても米国が標的として位置づけられているという特徴が明白なのだ。
 第2には、中国の軍拡は日本や台湾に重大な影響を及ぼし、その背後に存在する米国のアジア政策とぶつかるだけでなく、米国主導の現行の国際秩序へのチャレンジとなってきたという特徴がさらに屹立する。
 つまり、中国の軍拡は米国や日本への明らかな挑戦なのである。米国の専門家たちの大多数は少なくともそう見ているのだ。
 こうした特徴は私が本書で最初に紹介した米国防総省相対評価(ネットアセスメント)局の現職顧問、マイケル・ピルズベリー氏の次のような言葉にまず総括されていた。
 「中国がなぜ軍事力を増強するのか。いくつかの事実を見ると答えが自然に浮かび上がります」
 「まず現在、中国人民解放軍が開発を急ぐ対艦弾道ミサイル(ASBM)は明らかに米軍の原子力空母を標的にしています。この特定のミサイルが長距離で狙う艦艇というのは、米国しか保有していないのです」
 「中国は2007年1月に人工衛星を破壊するミサイルを発射し、見事に標的の破壊に成功しました。 この種の標的も米軍以外にはありません。  米軍が実際の軍事作戦で人工衛星の通信や偵察の機能に全面依存することを熟知しての動きでした」
中国の軍拡の目標は台湾制圧の先にある:
 中国の軍拡の最終目標については、従来、米国の専門家たちの間で意見が2つに分かれていた。
 第1はその究極目標が台湾有事にあるとする意見だった。中国は台湾を自国領土と完全に見なしており、その独立宣言などに対しては軍事力を使ってで も、阻止や抑止をすることを宣言している。   中国はそうした有事のために台湾を侵攻し、占領できる軍事能力を保持しているという見方である。  台湾有事以上に は軍事的な野望はないという示唆がその背後にはあった。(つづく)