政治家として国に尽くす人は少数でも、志ある者が日本沈没を救う。

・「安定財源を確保し、経済再生もやる。 政治改革も行政改革も全てやり抜いていこうという包括的な改革を、われわれは皆で結集して実現していこうではないか。 大事なことは待ったなしの状況の中でしっかりと結論を出すことだ。 国難から逃げるのではなく、国難に立ち向かう。 苦しいが、国民に説明し、賛同を得る努力をしていく。 こういう政治をぜひ実現したい」
・何を考えているのか分からない輿石東同党幹事長は、党議違反者に除名も離党勧告もしないという。 こういう人に加えて、日米関係を悪化させるとの意識もなく普天間飛行場を蹴飛ばしたり国家をたかりの対象としたりしてきたような人物が首相の座にいたので、野田氏は相対的に随分、得をしている。
・薄汚い動機を隠すかのように尊大になったり、国益など念頭になく党利、私欲から総選挙実施を騒ぎ立てたりしている間に、日本の外交・防衛はどうなっているか?
改憲か護憲か?で政治家を色分けしてほしい。 政治家として国に尽くす人は少数でも、志ある者が日本沈没を救う。






〜〜〜関連情報<参考>〜〜〜
消費税上げから日本は再出発だ
杏林大学名誉教授・田久保忠衛   2012.6.27 03:10 [正論]
 ひところ日本の論壇では米国「衰退」論が盛んだった。  結局、「相対的な衰退」に落ち着いたようだが、国力で米国を追い上げている中国、それにロシアも国内に相当の問題を抱えているらしい。  それよりも、民主党が政権をとってからこの方、日本は「沈没」するのではないかとの感じを共有する人々は少なくないだろう。   断じて許せないことだが、政治家に対するテロが発生した場合に「ざまを見ろ」と呟(つぶや)く向きが増えるようだと国家全体が揺らぐと思う。大仰にいえば、私の危機感はそこまで達している。
野田首相は所信を貫徹した≫ :
 とはいえ、野田佳彦首相は社会保障・税一体改革法案の衆院通過で所信を貫いたと評価したい。 どの世界でも先頭走者への風当たりは強い。 財務省の手先、優柔不断、人事音痴などの批判は的外れではない。 が、「安定財源を確保し、経済再生もやる。 政治改革も行政改革も全てやり抜いていこうという包括的な改革を、われわれは皆で結集して実現していこうではないか。   大事なことは待ったなしの状況の中でしっかりと結論を出すことだ。    国難から逃げるのではなく、国難に立ち向かう。  苦しいが、国民に説明し、賛同を得る努力をしていく。  こういう政治をぜひ実現したい」との25日の民主党代議士会での発言に共感する。
 この日夜のNHKニュースは、「増税の前にやることがある」「増税よりも復興を」の幟を立てた一代議士の言動を異常なほどの時間にわたって伝えた。 増税か災害復興かの二者択一の旗を揚げて自党の党首を攻撃する素っ頓狂な人物を好意的に報道する意味は分からない。 この代議士も、小沢一郎民主党元代表もともに、増税反対票を投じる前に脱党するという、「やること」があったのではないか。
 政治が一直線にいかないことは十分に承知しているが、何を考えているのか分からないのは輿石東同党幹事長で、党議違反者に除名も離党勧告もしないという。 こういう人たちに加えて、日米関係を悪化させるとの意識もなく普天間飛行場を蹴飛ばしたり国家をたかりの対象としたりしてきたような人物が首相の座にいたので、野田氏は随分、得をしている。
≪外交・防衛にも関心向けよ≫ :
 増税を喜ぶ人はまずいないだろうが、まともな人間なら卒倒するほど悪化した財政を国民全員が負担して、難局を切り抜けようとの雰囲気が高まっているときに、薄汚い動機を隠すかのように尊大になったり、国益など念頭になく党利、私欲から総選挙実施を騒ぎ立てたりしている間に、日本の外交・防衛はどうなっているか。 関心を早く転換してほしい。

 一昨年に尖閣諸島沖の日本領海内で中国漁船が巡視船に体当たりした事件が発生し、以来、尖閣問題は間断なく続いている。 普天間移設をどうするかで日本政府が内を向いていたことに狙いを定めた中国の対日外交であった。

 時を同じくして中露首脳会談が行われ、対日戦勝65周年を記念する共同声明が出されたときの衝撃を思い出す。 すぐあとにロシアのメドベージェフ大統領は国後島を訪問した。 野田首相は6月18日のメキシコでの20カ国・地域(G20)首脳会議の際、代わって大統領に復帰したプーチン氏と会い、領土問題再交渉のきっかけを作った。 と思ったら、首相に転じたメドベージェフ氏が7月上旬にも択捉島を訪れるとの報道がロシアから流れた。
 この種の事件があると、日本政府は
(1)事実関係を確認する(2)外交ルートを通じ抗議する
−の2点を判で押したように繰り返す。
 対応が不能に陥っているとの認識すらない。 国民を何人も北朝鮮に拉致され、なす術もなく年月だけ経過する国家が他にあろうか。

憲法改正を「火事場泥棒」とは≫ :
 首相が決断らしい決断をした前例は、昨年11月、ハワイでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の「交渉参加に向けて関係国との協議に入る」とオバマ米大統領に伝えたことだ。 だが、話は一向に進展していない。 メキシコ、カナダは先に交渉参加が認められた。 日本は経済交渉でも身動きが取れない。
 6月25日付本欄で西修駒沢大学名誉教授が「憲法で対立さらすおそまつ与党」を書かれた。 一読して怒りがこみ上げた。 民主党前川清成氏が憲法改正を「火事場泥棒的」と批判したという。
 前川氏が平和勢力と崇(あが)めた社会主義国ソ連と中国が実際にどのような国で、日本がいかに平和を希求しているかの認識が完全に食い違っている。 対外的な安全保障や大規模自然災害への対応を図るための改憲で、安全や平和を無責任に放置する「護憲」から時代が変わったのが、この人物にはまだ分からないのか。

 今後の政界再編の行方は不明だが、改憲か護憲かで政治家を色分けしてほしい。 政治家として国に尽くす人は少数でも、志ある者が日本沈没を救う。消費税引き上げから日本は再出発だ。(たくぼ ただえ)