・択捉、国後両島の主権移管の50年後は、遅すぎる。50年も経ったら、島民は皆、生きていないだろう!

・シベリア各地で、地方政府の間に人口が急増する中国脅威論がある。
・中国の輸入は資源などに偏り、代わりにロシアには粗悪な中国製品が大量に流れ込んでいる。
・経済評論家イノゼムツェフ氏は昨年11月、週刊誌アガニョークで「極東を日本や韓国、米国との協力の場に変えることは、地域の近代化の最も重要な礎になる」とし、日露平和条約締結の必要性を強調。  北方領土も、一部を引き渡し、日本と関係を強化することは「国益にかなう」と主張した。
・国際平和財団カーネギー・モスクワセンターのトレーニン所長は昨年末発表した論文の中で、
(1)ロシアは日ソ共同宣言に基づき歯舞・色丹両島を引き渡す
(2)日本は島々での露側の経済活動を支援する
(3)両国は四島に共同経済圏を設ける
−とした上で、
択捉、国後両島は50年後に日本側に主権を移すという、「香港返還に似た」解決策を提唱した。
・択捉、国後両島の主権移管の50年後は、遅すぎる。50年も経ったら、島民は皆、生きていないだろう!


〜〜〜関連情報<参考>〜〜〜
北方領土 ロシア、対策室設置を警戒 歩み寄りも  
古澤襄  2013.02.08
 七日は「北方領土の日」。 モスクワから産経・佐々木正明特派員が日本大使館前では日本の主張に反対する抗議集会が行われたと伝えてきている。
 その一方で「極東シベリア地域で強まる中国の影響力を抑えきれない。 日本はもっと積極的に進出してほしい」というロシアの”立ち位置”に変化の兆しがあることも指摘した。
 私も二度にわたってシベリア各地を回り、地方政府の間に人口が急増する中国脅威論があることを知った。  「ロシア国内では、経済力、軍事力ともに成長著しい中国への恐怖心も広がっており、ロシアを日本へ歩み寄らせる呼び水にもなっている」という指摘はまさにその通りである。
 日中間で尖閣緊張が高まっている現状で、軍事力で決着をつけることは許されないのだから、外交力で日本の立場を国際世論にねばり強く訴えることが必要である。  その見地からロシア外交に日本はもっと多角的なアプローチをすべきだと思っている。
 <【モスクワ=佐々木正明】 ロシアは北方領土をめぐる日本の動きに目を光らせている。  7日の北方領土の日を前に、ロシアは北方四島周辺で軍事演習を開始した。  日本政府が「領土・主権対策企画調整室」を設置したことも、「プロパガンダのための組織創設」と伝えられるなど警戒感は根強い。 一方で、極東シベリア地域における中国の台頭をふまえ、ロシアでは最近、日本に対するアプローチに変化も表れている。
 7日午後、モスクワの日本大使館前では日本の主張に反対する抗議集会が行われた。 大使館によれば、例年、この日に抗議集会が開催されており、2回にわたり政党関係者ら約30人が集まって、「南クリール(北方領土)はわれわれの領土だ」などと訴えた。
■日本の進出に期待
 ただ、ロシア国内では、経済力、軍事力ともに成長著しい中国への恐怖心も広がっており、ロシアを日本へ歩み寄らせる呼び水にもなっている。
 「極東シベリア地域で強まる中国の影響力を抑えきれない。日本はもっと積極的に進出してほしい」
 日本外交筋は昨秋、プーチン大統領に近い政府要人からこう要請され、ロシアの「立ち位置」の変化に気付いたと明かした。
 中露の貿易額は近年、急増。  昨年は900億ドル(約8兆4千億円)を超える見通しだ。  首脳も頻繁に相互訪問し、友好関係が維持されているようにも見える。
 しかし、中国の輸入は資源などに偏り、代わりにロシアには粗悪な中国製品が大量に流れ込んでおり、ロシアの対中貿易赤字が膨らんでいるのが実態だ。 また極東地域の人口は約630万人でソ連崩壊後、約2割も減った。対して国境を接する黒竜江など中国東北3省は1億人以上おり、人口圧力で、この地域が中国にのみこまれてしまうという危機感がある。
■香港に似た返還策
 こうした中国脅威論を背景に、経済評論家のイノゼムツェフ氏は昨年11月、週刊誌アガニョークへの寄稿で「極東を日本や韓国、米国との協力の場に変えることは、地域の近代化の最も重要な礎になる」とし、日露平和条約締結の必要性を強調。  北方領土も、一部を引き渡し、日本と関係を強化することは「国益にかなう」と主張した。
 国際平和財団カーネギー・モスクワセンターのトレーニン所長は昨年末発表した論文の中で、(1)ロシアは日ソ共同宣言に基づき歯舞・色丹両島を引き渡す(2)日本は島々での露側の経済活動を支援する(3)両国は四島に共同経済圏を設ける−とした上で、択捉、国後両島は50年後に日本側に主権を移すという、「香港返還に似た」解決策を提唱した。同氏は本紙の取材にも「(北方四島は)極東発展の原動力になりうる」と話した。(産経)>