習近平総書記(59)は単に「強いリーダー」を演出しているに過ぎない!

・集会の開催中に、チベット僧が中国の裁判所で執行猶予付きの死刑判決を受け、習近平指導部のチベット政策の転換を期待していた亡命人社会には、失望感が広がっている。
・中国では2009年以来、弾圧に抗議し、チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世(77)の帰還を求める住民99人が焼身自殺を図り、このうち少なくとも83人が死亡している。
・センゲ首相は、「中国政府は軍事的冒険主義や国民主義を高めている」と指摘し、「インドや日本、フィリピン、ベトナムなども神経質になっている」と訴えた。
・習指導部下の中国ではすでに、チベット仏教の僧侶らが自殺教唆容疑で逮捕されるなど取り締まりの強化が図られている。
・一連の強硬策の背景には、昨年11月に最高指導者に就任した中国共産党習近平総書記(59)が「強いリーダー」を演出することで、弱い政権基盤を補強したいとの思惑がある。






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チベット人が大規模集会 僧侶への執行猶予付き死刑判決に怒り
2013.2.11 07:00
 インド北部ダラムサラに拠点を置くチベット亡命政府は1月30日から2月2日までの4日間、インドの首都ニューデリーで中国政府によるチベット人弾圧を非難し、国際社会に支援を求める大規模集会を開いた。  しかし、集会の直前には、中国・チベット自治区自治区政府主席に強硬派とされるロサン・ジャムカン氏が選出された。  集会の開催中には、チベット僧が中国の裁判所で執行猶予付きの死刑判決を受け、習(しゅう)近(きん)平(ぺい)指導部のチベット政策の転換を期待していた亡命人社会には、失望感が広がっている。
ニューデリーに5000人:
 初日の30日の集会には、亡命チベット人数千人のほか、インド政府のラル・クリシュナ・アドバニ元副首相(85)や最大与党、国民会議派の下院議員2人を含むインド側の出席者ら計約5000人が出席した。
 亡命政府によれば、中国では2009年以来、弾圧に抗議し、チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世(77)の帰還を求める住民99人が焼身自殺を図り、このうち少なくとも83人が死亡している。
 亡命政府のロブサン・センゲ首相(44)は演説でまず、中国政府による人権弾圧を非難するとともに、「インドの首都でこうした集会が開けることは、チベット人に対するインドの親愛と思いやりの証拠だ」とインド側に謝意を表明した。
 この後、センゲ首相は、「中国政府は軍事的冒険主義や国民主義を高めている」と指摘し、「インドや日本、フィリピン、ベトナムなども神経質になっている」と訴えた。
中国に変更の望みなし:
 一方、インドのPTI通信によると、ロサン・ジャムカン主席は1月29日、「ダライ・ラマ一派と断固戦うため、強い政治的立場を取り、行動していく」と表明し、タカ派のイメージを際立たせた。
 センゲ首相は30日の集会中、産経新聞に「中国政府が政策を変更する望みはほとんどない。 強硬派の自治区政府主席のもとで、焼身自殺者は増えるかもしれない」と警戒感をあらわにした。
 習指導部下の中国ではすでに、チベット仏教の僧侶らが自殺教唆容疑で逮捕されるなど取り締まりの強化が図られている。
 中国からの報道によれば、31日には、中国四川省アバ・チベット族チャン族自治州の中級人民法院(地裁)が8人に焼身自殺するようそそのかし、このうち3人を死なせたとして、チベット人の僧侶、ロブサン・クンチョク氏(40)に執行猶予付きの死刑、クンチョク氏の甥(おい)、ロブサン・ツェリン氏(31)に懲役10年の判決をそれぞれ言い渡し、チベット人社会の怒りの火に油を注いだ。
「強いリーダー」を演出:
 一連の強硬策の背景には、昨年11月に最高指導者に就任した中国共産党習近平総書記(59)が「強いリーダー」を演出することで、弱い政権基盤を補強したいとの思惑があると指摘される。
 判決に対し、亡命政府は2月1日、声明を発表し、「しかるべき訴訟手続きも適正な説明もなく、こうした判決が下されたことは受け入れられない」と非難した。  また、「判決はチベット人基本的人権を否定するものであり、チベット人の(自治への)大望と、相次ぐ焼身自殺への深い苦悩を完全に無視したものだ」と反発している。(いわた・ともお ニューデリー支局)