・おはようございます三条健です。 安倍首相が強く主張した結果、G7サミットは「質の高い投資」を推進する「伊勢志摩原則」を確認した!

・中国で過剰生産された鉄鋼製品が不当に安く輸出されている問題では、市場を歪曲する政府補助金に懸念を示し、必要に応じて反ダンピング(不当廉売)関税などの対抗措置を検討するとした。
・最近は、欧州産業界で中国の安値攻勢への反発も強まっていた。
・日米欧はそれぞれ、中国を世界貿易機関WTO)の「市場経済国」と認めるか否かを検討中だ!
・安倍首相が強く主張した結果、G7サミットは「質の高い投資」を推進する「伊勢志摩原則」を確認した!
・安倍首相は2015年のサミットでも同様の主張をしたが、欧州各国が雪崩を打ってアジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加を決めたばかりとあって、理解が広がらなかった経緯がある。
中国経済が減速するにつれて、欧州の対中姿勢が総じて厳しさを増しているとみれる。











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2016.6.4 12:48更新  【一筆多論】
対中経済外交でG7の結束を 長谷川秀行
 議場に姿はなくとも、中国の動向が話題に上らぬ国際会議はほとんどない。まして隣国日本での伊勢志摩サミットとなれば、中国にとって重大な関心事である。その覇権主義的な海洋進出に対し、日米欧の首脳が結束を強めるかどうか気にならぬはずはなかった。
 だから中国は過敏に動いた。わざわざサミット開幕日に、王毅外相が自国開催の20カ国・地域(G20)首脳会議まで100日という強引な理由で内外記者を集め、会見を開いたのもそうである。
 王毅氏は政治や安全保障の討議を牽制(けんせい)したかったのだろう。伊勢志摩サミットは経済論議に特化すべきだと主張した。経済ならば欧州が対中関係を重視しており、一方的な中国批判は起こりにくいと踏んでいたのかもしれない。
 だが、実際は違った。
 サミット首脳宣言は経済でも、中国を念頭に置く厳しい指摘が目立った。
 中国で過剰生産された鉄鋼製品が不当に安く輸出されている問題では、市場を歪曲(わいきょく)する政府補助金に懸念を示し、必要に応じて反ダンピング(不当廉売)関税などの対抗措置を検討するとした。
 欧州は元来、対中国にかぎらず反ダンピング措置の発動に積極的である。加えて最近は、欧州産業界で中国の安値攻勢への反発も強まっていた。その点では、中国に融和的だった欧州が、中国の経済覇権を警戒する日米と、歩調を合わせる素地は十分にあった。
 折しも日米欧はそれぞれ、中国を世界貿易機関WTO)の「市場経済国」と認めるか否かを検討中だ。認めれば反ダンピング措置を取りにくくなる。慎重な判断が必要なこの問題で先進7カ国(G7)が連携するためにも、サミット合意は重要な布石となる。
 中国への牽制はインフラ投資でもみられた。途上国などへの質の低い投資は環境・社会への負の影響を招くなどと首脳宣言で触れたのがそうだ。質の高い投資を推進する伊勢志摩原則も確認した。
 これらは、中国のインフラ戦略に対抗して日本が訴えてきた基本路線だ。首相は昨年のサミットでも同様の主張をした。だが、欧州各国が雪崩を打ってアジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加を決めたばかりとあって、理解が広がらなかった経緯がある。
 今回、日本は討議を主導できる議長国だった。それを割り引いて考えても、1年前とは異なり、対中結束が強まった印象である。
 振り返ると、昨年はAIIBや人民元の国際化で日米と欧州の溝が表面化した一年だった。アジアから遠い欧州は、前のめりに対中経済の強化に動きがちである。
 そんな潮流が変わりつつあるのか。少なくとも、中国経済が減速するにつれて、欧州の対中姿勢が総じて厳しさを増しているとみることはできるだろう。